日本ラグビーの歴史を大きく変えた、ラグビーワールドカップ2019でのラグビー日本代表の躍進。悲願であるベスト8入りを達成、予選プールは4戦全勝で首位通過。準々決勝で南アフリカ代表に敗れるまで獲得したトライシーンをスポーツライターの斉藤健仁氏が細かくレビューする。第1回は、開幕のロシア代表戦の4トライを振り返る。
2020/03/29
解説●斉藤健仁
開幕のロシア代表戦、ジャパンが決めた最初のトライは0-7とリードされて迎えた前半11分、相手のペナルティーから得たゴール前ラインアウトから生まれました。
ラインアウトには7人が入って、モールで押し込まず、サインプレーでリーチが突っ込む。次は順目にLOジェームス・ムーアにボールキャリーし、その次はブラインドサイドに展開してCTB中村亮土がゲインして、あと1mまで迫りました。ここまではサインプレーだったと思います。
しっかりとボールをキープして、FLラピースが順目にボールキャリーしてラックを形成し、FWシェイプではなく裏のBKのシェイプへと展開。SH流大からSO田村優、CTBラファエレ・ティモシーとつなぎ、ラファエレがオフロードパスでFBウィリアム・トゥポウ、さらにオフロードパスでWTB松島幸太朗がトライを挙げました。。
ボールを継続するなかで、しっかりと相手のDFを寄せて、FWで前に押し込んだ後、しっかりと裏のBKシェイプで田村からラファエレ、トゥポウのオフロードパスからトライにつなげました。
2本目のトライ―前半39分、WTB松島幸太朗
2本目のトライは、前半39分、再びWTB松島が決めました。直前の松島のトライはTMOの末、ノックオンとなり認められませんでした。
ジャパンはまず、ラインアウトからモールを押し込みます。ここからボールをしっかり継続します。10mくらい押し込んだあと、FWのシェイプでムーアがラックを作ります。少しパスが乱れますが中村がもう一度作り直します。
NO8姫野和樹がボールキャリアでラック。今度はリーチ、パス乱れて、再び中村が前に出てボールをキープ。相手のプレッシャーを受けたこともあり、なかなかいいボールが出せません。